ビジネスモデル特許(クラウドファンディング)の事例・具体例紹介
クラウドファンディングに関するビジネスモデル特許を
取得したい、というご相談が時々あります。
大半の場合、案件が十分練れていないために先行技術との
差がつかない、ということで最終的な特許出願の
ご依頼には至りにくくなっています。
そこで、実際に特許になった具体的な事例を紹介することで
参考になるのではないかと思い、まとめてみました。
フィンテック特許に関するその他の事例については、
という形で紹介していますので、そちらのご参照ください。
購入型クラウドファンディングの購入者にコンテンツを提供する特許
特許第5270781号、登録日平成25年5月17日
特許権者は、株式会社エブリスタ、です。
概要は、投稿型コミュニティサイトのコンテンツ作成者が、
購入型クラウドファンディングで資金調達する場合の仕組みです。
「投稿型コミュニティサイトにおいて「購入型」クラウドファンディング
による資金調達を行う場合には,コンテンツの作成者は,
投稿したコンテンツとは別に,資金提供者が「購入」する
コンテンツを準備しなければならない。
このように,投稿型コミュニティサイトに「購入型」
クラウドファンディングを適用すると,コンテンツの作成者に対し,
投稿コンテンツを作成すること以上の負担を強いる可能性がある。」
という事情に対して、投稿されたコンテンツとは別の
資金提供者に提供する別のコンテンツをシステム側で用意し、
クラウドファンディングした資金提供者に対して、
この別途用意されたコンテンツ(システムコンテンツ)
を提供する、という仕組みです。
権利範囲は次の通り。
【請求項1】
一のユーザから投稿されたユーザコンテンツを他の複数のユーザに提供するウェブサイトを提供する情報提供システムであって, 前記ウェブサイトの第1ユーザにより操作される端末装置からネットワークを介して投稿されたユーザコンテンツを記憶するユーザコンテンツ記憶部と, 前記ウェブサイトの第2ユーザにより操作される端末装置から,前記ユーザコンテンツに対する支援要求を取得する支援要求取得部と, 前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのいずれとも異なる者により準備された複数のシステムコンテンツを記憶するシステムコンテンツ記憶部と, 前記複数のシステムコンテンツの中から前記支援要求に対応する支援者用コンテンツを特定するコンテンツ特定部と, 前記コンテンツ特定部が特定した支援者用コンテンツを前記第2ユーザに提供する支援者用コンテンツ提供部と, 前記支援要求に基づいて,前記第1ユーザに対する報酬を決定する報酬決定部と, 前記ユーザコンテンツに対応する表示と前記支援者用コンテンツに対応する表示を含み,前記ウェブサイトにおいて提供されるウェブページを生成するページ生成部と, を備えた情報提供システム。
厳密に見ていくと、フィンテック的な金融サービスの特許というより、
ウェブシステムの特許という方が正しいかもしれません。
しかし、このようなウェブシステムの特許というのも
成立しうるという事例である点で注目が必要です。
実際のところクラウドファンディング周りで特許を取ろうとしたら、
こういうシステム的な内容になりそうですね。