一般的に外国特許出願の代理費用が高い理由
通常、国内の特許出願を依頼した弁理士に
そのまま外国特許出願を依頼することが多いはずですが、
その時に困るのは、国内よりはるかに料金が高いことです。
なぜ高くなるのか?
別に吹っかけているとかではなくて、
慣れない外国案件の処理、慣れない英語の負担感が大きいからと思われます。
英語が苦手だから理系を選んだ、という人も相当多いです。
苦手意識はなくとも英語の読み書きは負担という人は多く、
だからと言って英文系の人に任せても技術が分かりません。
その結果、1人の専門家にそれだけ負担をかけることが多く、
請求もそれなりになってしまいます。
なぜ安く提供できるのか
- 所長である担当弁理士が、経験豊富で特許実務と英語に強い
それって高くなる要素じゃないの?と思われそうですが、担当業務に慣れがある分、業務に負担感がなく、効率的に手続きをすることができます。
その結果、料金をそんなに高くする必要が生じなくなります。
外国関係は特許事務所によって料金のばらつきが非常に大きいです。
それは、担当弁理士の処理能力にばらつきがあるからです。
国内案件を扱うように外国案件を取り扱える弁理士ばかりではありません。
その負担感が価格に反映されることが多いです。
- 開業したばかりだから
率直に言って、開業当初は価格で勝負するしかありません。業務経験豊富で、実力で勝負してくださいと言っても通用する話ではないので、まずは低価格とさせていただきます。
- 人件費・賃料にお金がかかっていない
上と重複しますが、現時点では主たる経費である人件費、賃料にはあまりお金がかかっていません。その分、現時点ではお安くできます。
(1)価格水準
価格の高低以前に、そもそも外国出願料金をウェブサイト上で掲載している特許事務所は数えるほどしかありません。当所はその中でも、低価格の格安料金を採用いたしました。おおむね業界平均の30%オフくらいになります。
外国特許の手数料は非常に高く設定されるのが通例なので、
安いのにそれを自ら公表しないということは普通考えられないと思います。
ざっとインターネットで調べると、安いなという印象のある特許事務所は全て、主要技術分野が化学・バイオ系です。電気系で受任したとしても駆け出しで大半は非弁理士の担当です。
概算で安い金額を出しているところもありますが、内訳がない以上本当に安い金額であるかどうかは非常に疑問です。
(2)明確
外国出願料金を内訳ではなく、全体でざっとどのくらい、と書いてあるものは見かけますが、料金の内訳は翻訳料金の占める割合が多く、分量を少なく見積ることで見かけ上安くすることができてしまうという問題があります。
さらに現地代理人費用、特許庁費用は、「実費」として曖昧にしている例も見かけます。
また中国出願は欧米よりも安いことから、中国出願の例をもって全体的に安く見せるということも可能です。
一方で弁理士会の規定に準じた料金表をそのまま載せている例もありますが、それは特許事務所の料金に通じている人以外には分かりにくいと思われます(大体が非常に高額の設定になっていますが)。当所では外国出願料金を、
- 「当所費用」
- 「翻訳費用」
- 「特許庁費用」
- 「現地代理人費用」
を分けて、明確にその内訳を出しています。比較してみていただければと思います。
料金表を作るには、まず業務のワークフローが理解できていないといけません。
どの工程でどのくらい費用がかかるかということを理解できている弁理士は、驚くことに非常に少数派だったりするのです。
分からないから料金表は弁理士会作成のもののような既成のものを利用したり、大手のクライアントから渡されたものをそのまま使ったりしています。価格競争以前に自分で値段を決められないから、積極的に価格の提案をすることが出来ないというのが実情のように思われます。
(3)料金と技術分野
なお、外国事件についても、技術分野のマッチングは重要と考えます。
通常、電気機械(ソフトウェア)系と、化学バイオ系を分けて考えるのが一般的です。
実際、当所では化学バイオ系は取り扱うことができません。
電気機械(ソフトウェア)系の案件については、当所にお任せ下さい。
通常規模の特許事務所では、電気機械系寄りか、化学バイオ系寄りか、得意な分野に偏りがあるのが通例です。さらに100人を超えるような大手だと、一体誰の担当になるのかわからないという弊害があります(多数の優秀でないスタッフも含むのが通例です)。
電気系分野の弁理士による、という前提では、ウェブサイトを探す限り外国特許出願を当所より安く提供している料金表は見当たりませんでした。外国特許については、高いというのが何よりの感想だと思うことから、当所ではなるべく安く提供することを追求しています。
ただし、外国特許出願なので国内特許出願並みの価格という訳には行きません。どうしても現地代理人費用がかかり、翻訳費用も発生します。審査費用もはじめから必要とされます。この点ご留意願います。