発明、アイデアとは複数の問題を一気に解決するものである
発明とは何か。アイデアとは何か。
どう定義して伝えたらよいのか、悩みも多いところです。
特許実務者側からの定義づけはあるものの、
発明者側には伝わらない内容である一方、
クリエーターの方から、表記の名言が生まれ、
それがかなりの反響を生んだという話があります。
これは、あの任天堂の宮本茂氏の名言で、
それを岩田聡前社長が聞いたのを、糸井重里氏との
対話の中で広く伝わっていった話です。
もうあちこちで引用されていますが、
詳しくは以下のリンクで。
https://www.1101.com/iwata/2007-08-31.html
(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
糸井 まえに岩田さんと話したときに、
「アイデアというのはなにか?」
という話をしたじゃないですか。
岩田 宮本(茂)さんのことばですね。
糸井 そうです。つまり、宮本さんによれば、
「アイデアというのは
複数の問題を一気に解決するものである」
ということなんですが、
この話を事務所のみんなにしたところ、
ものすごく感心されまして。
せっかく岩田さんがいらっしゃってることだし、
あの宮本さんの発言の意図と、岩田さんの分析を
くわしく聞かせてもらえたらなと思うんですが。
岩田 あれは、ゲームをつくってるときに、
宮本さんが言ったんですよ。
ですから、宮本さんは
ゲームをつくるときのひとつの方法論として、
おっしゃってたんですけど、
わたしは、ゲームづくりに限らず
万能な考え方だと思うんですよね。
岩田 どんなものでもそうだと思うんですけど、
なにかをつくるときって、
「あちらを立てればこちらが立たず」
という問題がつねにあるわけです。
…
岩田 だから、アイデアを出す会議などで、
「この問題をどうしよう?」
ということを話し合っているときに、
当然いろんな人がいろんなこと言うんですけど、
たいていそれは、ひとつの問題を解決するだけで、
ほかの問題を解決させるわけではない。
…
岩田 でも、ときどき、たったひとつのことをすると、
あっちもよくなって、こっちもよくなって、
さらに予想もしなかった問題まで解決する、
というときがあるんですよ。
物事の改善、工夫というのは、
やろうとしても何かがうまくいかない、
トレードオフの関係がどこかに生じるもので、
そうでないものを改善したところで、
単にコストや手数を増やして
普通に改善しただけにすぎません。
そういうものって進歩性がある話ではない
と思うんですよ。よくいう設計事項というやつです。
進歩性があるアイデアとないアイデアは何が違うのか?
と考えたときに、表記の話のような、
何か1つ工夫をすることでとんとん拍子に
何かがうまくいってしまうような
そんな工夫のことなんじゃないかと思います。
そういうとんとん拍子にうまくいく飛躍のことを
進歩性というのですが、なかなか「進歩性がある」
というのと単なる工夫を区別して把握すること
というのはなかなか難しいようです。
そんな大きなアイデアとはどんなものか、
と思いを巡らす時に、表記の内容を
思い出すとよいのかもしれません。
そして思いついたら、「アイデアスケッチ」をやってみましょう。
→アイデアスケッチについて
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