商標登録出願

新宿アイランドタワーの事務所へどうぞ

もちろんメールや電話によるご依頼・お問い合わせを受け付けておりますが、
対面により直接ご相談される方が安心ということも多いと思います。

ご相談は無料ですので、お気軽にお越しください(要予約)。→ アクセス

費用についても、区分数によりばらつきますし、本当のところは聞いてみないと分からないことが多いと思います。
また、国際展開を想定する場合の相談もあると思います。
また、取れそうかどうかによって出願をするかどうかを決めることもあると思います。
これらについてお気軽にお問い合わせいただき、納得した上で出願を検討できるようにご相談をお受けします。

商標登録の方法と流れ

はじめのご相談は無料ですので、ご遠慮なくご連絡ください。
商標調査は無料です。→ お問い合わせ

特許庁のサイトで事前調査できます。「商標」の項目のプルダウンから、
「商標検索」を指定してください。そこで「称呼(単純文字列検索)」
の項目に、商標の読みをカタカナで入力すると、検索結果が出ます。

具体的には、「○○という商標を取ろうと思っています。
考えている業務範囲は××(ファッションブランドとか、美容関係とか)です」
と言っていただければ、大体概要をお答えできると思います

区分数が増えると料金が増える点ご留意ください。
できるだけ1区分になるよう、区分数は少なくなるように提案いたします。
(一般的に区分が増えるようにアドバイスされる方が多いと思います)

出願のお問い合わせ・ご依頼

出願したい商標と、商品・サービスのご確認

商標調査を行い、結果をご報告いたします。

最終的なご依頼をお待ちして、商標登録出願いたします。

区分の選択が適切でない場合、保護が十分でなかったり、
逆に多すぎると費用を余分に払いすぎることになります
弊所では親身になって指定商品役務を提案させていただきます。
大体の業務範囲をお知らせいただければ、
ご相談の上で選定いたしますので、お問い合わせください。

→「商標登録で失敗する5つの場合」もご参照ください。
・・・商標法第3条違反、類否判断、指定商品役務の選択というあたりが、
馴染みがないと難しく思われるようです。

商標登録出願の記載事項と必要な書面

(1)名称、ネーミング、マークなどが商標登録の対象になります。
文字のみの場合は、商標の文字列を、
・マークやロゴの場合は、pdfやjpgなどのデータをお送りください。

(2)権利を取りたい指定商品、指定役務(区分)の特定
=業務内容をご説明いただければこちらで選択致します。

商標をとればすべての業務がカバーされる訳ではありません。
法人の登記でも必要だと思いますが、登録をする業務範囲
(指定商品、指定役務と言います)を指定する必要があります。
たくさん書くことにより、含める業務によって
料金も変わってくることがあります。

例えば「衣料品だけ」に比べて、「+かばんも追加」すれば
料金は約2倍になります。ですので、どの範囲で商標を
取りたいのか、についての検討をお願いしております。
不明な点も多い部分ですので、ご相談いただければと思います。

(3)氏名又は名称と、住所又は居所
→商標登録の住所変更、名称、名義人変更、会社名変更のご相談

登記簿謄本や住民票は不要
本人情報は、上記の「氏名又は名称」と、「住所又は居所」を
記載するのみで十分です。登記簿謄本や住民票は必要ありません。
個人の場合は個人の住所氏名、法人の場合は法人名と所在地です。

商標登録の料金・価格

下記の通り、1区分の場合の出願から登録までの費用の合計は、
5年分で94400円(税込)になります。
10年分の場合は、登録時の特許庁費用は28200円/区分
になりますので、合計は106,200円(税込)になります。

なお、出願案件の合計区分数が8以上の場合は、
(例えば3区分の出願を3件の場合は、延べ9区分になり、該当します)
別途割引を行いますので、見積もり依頼をお願いします。

出願時費用

区分数 特許庁費用 代理手数料
1区分 12000円 44000円
2区分 20600円 66000円

登録時費用(5年分)

区分数 特許庁費用 代理手数料
1区分 16400円 22000円
2区分 32800円 44000円

商標登録のメリット・デメリット

(1) 自社商品・サービス名やロゴを、誰かに先に登録されてその人のものになってしまい、取り戻せない場合があります。この場合に誰かにとられる前に、先手を打って登録しておく必要があります。

ありがちなのは本家争いのようなケースで争っている相手方に先にとられる場合と、割とありふれた名前で他の人も考えつきがちな名前の場合です。

(2) 次が普通名称化です。一般名称となってしまった単語は、商標登録をすることができません。新しい商品・サービス形態が世に出たとき、それは紛れもなく新しい単語ですが、いずれ普遍的に使用され、普通名称として定着してしまうこともあります。

一般名称化してしまった場合、商標登録することができなくなりますので、権利を確保したい場合、一般名称化に先駆けて商標登録しておく必要があります。

(3) 誰か偽物が出てきたときに、権利を持っていないと対抗できません。

(4) 逆にデメリットは費用くらいなのですが、ネット特有の現象として、実名以外で展開されている方も多いので、自分の名前と住所が公開されてしまう点があります。匿名の場合は悩まれる方もいると思います。

商標登録しないという判断もある

商標権で損害賠償で争うのは非常にハードルが高く、比較的問題にはなりにくいです。差止請求権により使用禁止になることが一番大きなリスクです。ですので、名前をどうしても変えたくなくなるまで浸透したり、例えば看板などを作成した時点で商標登録を決断するお客様が多いです。

誰かにとられることが考えられず、偽物がどうでもよいとなると、費用かけてまで商標登録する必要はないかもしれません。

ちなみに非常に競争が厳しい業界の方だと、嫌がらせでの商標権取得を検討されている方もいました。

また、飲食店や美容院の場合、多店舗展開するわけではなく、1店舗だけの場合、あまりもめ事も起きづらいと考えられます。出所が1つに限られているという点で、出所を離れた商品サービスの混同防止という、商標の本来的な意味合いとも離れています。

基本的にはチェーン展開を想定する会社にとって商標登録が必須となります。チェーン展開しているのに後手後手になっている会社もありますが、後々問題になっています。

商標登録出願と区分

商標登録にはもちろん料金がかかるのですが、基本料金がいくら安くても、区分数が多くなってしまうとそれだけで料金が跳ね上がってしまいます。ですので、料金を抑えようとする場合には、区分数をどのようにするかを検討することが大事です。単価は高いけど区分数が少ない方が、単価は安いのに区分数を多く提案された場合よりも、全体としての料金は安くなります。

このように、商標登録は出願の際に区分を指定して行います。
必要な区分はお客様の取り扱い業務によって決まりますが、
指定業務を増やすと、区分数が増え、料金も倍増します。

ご依頼を受けて、可能性のある区分を提案しますが、
初めての商標登録の場合、多くは1区分で十分です。
一方で複数区分が必要な場合もあります。
どの区分が一番重要かを判断し、ご提案致します。

区分の例として、飲食店の場合は第43類のみで1区分になります。

テイクアウト商品を提供する場合には第29類によりさらに1区分になります。

両方とる場合には2区分の料金が必要になります。

その他、例えばコンサルティングなどを追加していくと、さらに区分が増し、区分数に応じて料金が増えていきます。

特許庁からの修正指示は無料で対応します。

出願してそのまま登録になることが多いのですが、
特許庁から、拒絶理由通知という書面が届き、
指定商品の一部削除や、記述の修正を求められるケースも多いです。
予測できるケースもありますが、予測が難しいこともあります。
その場合は、補正書の提出は無料で行っております。
(一般的には中間処理対応は有料)

  • ただし、審査官の認定に全面的に反論する意見書は
    有料となります(意見書の提出:5.4万円)

画像の説明

以下はほぼ雑談ですので、興味のある方はお読みください。

商標登録をしていなかった場合の飲食業界の場合の事例

何となくネットで調べてみたところ、飲食店で商標登録をせずに
事業拡大をしたところ、後発に店名を模倣された挙句、
商標まで先取りされてしまった事例があります。

リンク先はこちら
みたのクリエイトは国内16店、海外7店を有する外食企業で、国内の店は全て沖縄県内にある。他にも「異空間和風料理 動く町」、「いぶし銀次郎」、「生け簀の銀次」、「グリル銀次」などのブランドを有し、”銀次”という言葉には思い入れがあるものと思われる。海外では「産地直送仲買人 目利きの銀次」を香港に4店、タイのバンコクに1店、「いぶし銀次郎」もバンコクに1店ある。近日中にバンコクに「産地直送仲買人 目利きの銀次」をもう1店オープンする予定で、むしろ海外で知名度が高いブランドと言えよう。

どうして、「目利きの銀次」なる偶然の一致ではなかなか思いつかないブランドが、モンテローザにもあるのかというと、みたのクリエイトが商標登録をしていなかったからだ。商道徳としていかがなものかと非難しても、同じ屋号を使っても合法なのである。どうもモンテローザのほうが、先に商標登録をしてしまったらしく、法的には正当な使う権利があるということになるようだ。みたのクリエイトでは、系列店が東京にあるのかといった問い合わせに対しては、「こちらのお店は沖縄にありまして、東京などにある「目利きの銀次」は、ウチとは関係ない別の会社が経営しています」と説明している。

画像の説明


こじんまりとやっている分には
あまり問題も多くないと思いますが、
ある程度拡大し、特にフランチャイズした段階で
商標登録に未着手だとリスクが非常に大きいので
ご検討は必要です。

商標登録とは

商標とは、登録商標とは、という定義は商標法上であるのですが、
実は商標登録とは、という定義はありません。
ですが、商標権を発生させる行為を商標登録と考えてよいと思います。
巻末に今更な話ではありますが、商標登録により商標権を発生させるには、商標登録出願をしなければなりません。そして半年ほどの審査ののちに登録査定となり、登録料を支払うことにより商標登録となります。

商標登録出願を先にした人に優先的な立場があります。
自分が3月10日に出願しても、誰かが3月8日に出願をしたら、
商標登録を受けることができません。

特許のように一般公開されていればすでに権利を取ることができない、
という規定もありません。既に使っていても誰かが先取り出願すれば
それは先に出願した人の権利になります。
使いたいネーミングというものは結構重複しがちなので、
どうしてもこれだ、というブランド名商品名が決まりましたら、
商標登録をしておくことをお勧めします。

商標とは

商標とは何か、については商標法上定義があります。

第二条  この法律で「商標」とは、人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。

一 業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの

二 業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S34/S34HO127.html

要部を抜粋すると、「文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合」
ということになります。

ロゴ=「図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合」
ということなので、ざっくりいうと文字列またはロゴが商標登録の対象となります。

一号と二号で言っているのは、業務上で使用するもののみが対象
ということになります。業務で利用しないことが明らかな場合は
商標登録されませんし、業務上使用しないものは、
商標法上の使用ではないので侵害にもならないのです。

あとは個別に誰かが取っているものは取れないとか、
誰かの人の名前は取れないとか各種規定が個別列挙されていますが、
基本的には人が知覚できる記号的なものは商標登録の対象となります。

特に、会社名、商品名、サービス名、共通ブランド、
などは登録を検討する必要がでてくるでしょう。

新宿、の文字を含む商標登録

商標登録の事例も含めて説明する方が分かりやすいか、
ということで、弊所のある「新宿」の文字のある商標を例にしてみます。

例えば第16類、出版物について
登録2087172号 SHINJUKU MAGAZINE
登録4619965号 新宿新聞
なんてものがありました。
よくこれで通ったなとは思いましたが、
上記は「雑誌」のみ、下記は「新聞」のみに限定しています。
登録時期の問題もありますし、手続き上いろんな工夫もあったのでしょう。

特徴的なのが、不動産関係の商標登録が多いことです。
登録3004702  新宿グリ-ンタワ-ビル
登録3017506  新宿NSビル株式会社
登録5806683  住友不動産新宿ガーデンタワー
登録5894394  新宿三丁目東宝ビル
などなど。

あと、飲食店や学校関係も多いです。
地域名と結びついた商標ということですので、
それなりの特徴が出てきますね。
いずれも新宿に建物があるサービスが中心です。

「新宿の母」の商標登録

さて、「新宿」のつく商標を調べてみて一際目についたのが、
「新宿の母」の商標登録です。
そういえば「新宿の母」と言えばテレビなどでも出てきてました。

登録5017957号が、区分は、9,16,35,41,45類です。
登録5018956号が、区分は、9,16,35,45類です。

内容的には、うらないにまつわる権利範囲を多数指定しています。

審査基準が変わる直前くらいの登録なので、
指定商品・指定役務が沢山です。今はこんなに指定できません。

登録商標の使用・商標権の侵害とは

登録商標を記載しただけでは、直ちに商標権の侵害にはなりません
では、登録商標を記載した場合で、商標権の侵害になる場合、
ならない場合、というのはどんな場合でしょうか。
この辺をまず原則論から説明し、解釈の基準を説明します。

商標の「標」、trademarkの”mark”は、目印、という意味です。
不特定多数への目印になることで、商品へアクセスさせる、
というのが商標の使用であるという考え方になります。
単に書いたから商標的使用態様にあたるわけではないという話になります。

条文に規定されているのは、以下の内容です。
条文は読みづらいとおもいますので、さらっと流してください。

(平成26年改正)
一  商品又は商品の包装に標章を付する行為
二  商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為
三  役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為
四  役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為
五  役務の提供の用に供する物(役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物を含む。以下同じ。)に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為
六  役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為
七  電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。次号において同じ。)により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為
八  商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為
九  音の標章にあつては、前各号に掲げるもののほか、商品の譲渡若しくは引渡し又は役務の提供のために音の標章を発する行為
十  前各号に掲げるもののほか、政令で定める行為

インターネットサービスの場合、例えばそのサイトなどは、
「商品」ではなく、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物」という非常に分かりにくいものになります。その辺の言いかえがこの条文の記述になってしまっているのですが、ネット掲載については、「商品」に「添付」したものとして説明します。

第1号の「商品又は商品の包装に標章を付する」
というのが商標の使用の大原則になります。
たとえば「どすこい」という登録商標があったら、
左の図のような態様が登録商標の使用にあたります。

登録商標の使用の例

さて、右の例ですが、これは音楽CDのパッケージ題号として、
「どすこい」と表記した例を示しています。
これは侵害になるか?というと、ならなかったという判例があります。
「UNDER THE SUN 事件」という判例です。

話が長くなるので、結論から先に言うと、登録商標の使用、
ひいては商標権の侵害については、単に表記をした、という
形式面のみではなく、いわゆる商標としての機能を果たしたか、
という実体面、機能侵害という観点から判断される、
という話になります。

登録商標をパッケージに付しても使用・侵害にならなかった場合

原告登録商標「UNDER THE SUN 」は,指定商品(権利範囲)がレコード等。
被告(株)フォーライフレコードは,シンガーソングライター井上陽水のCDアルバム「UNDER THE SUN 」を製造販売。CDアルバムのタイトルとして「UNDER THE SUN 」を使用。
商標権侵害として、約1億円の損害賠償の支払いを求め、
平成6年東京地方裁判所に訴訟提起。
結論としては侵害にはなりませんでした

判旨としては、商品の出所を表示し自他商品を識別する標識としての機能を果たしていない態様で使用されていると認められる場合には,登録商標の本質的機能は何ら妨げられていないのであるから,商標権を侵害するものとは認めることはできない。というものです。

本件CDに表示されている被告標章は,本件アルバムの題号(アルバムタイトル)であると認められ,本件CDの需要者としても,被告標章を,専ら本件CDの題号(アルバムタイトル)であると認識し,アルバムタイトルとは別に本件CDに付されているフォーライフ商標や被告の社名であると認識することは明らかである。

本件CDに使用されている被告標章は,編集著作物である本件アルバムに収録されている複数の音楽の集合体を表示するものにすぎず,有体物である本件CDの出所たる製造,発売元を表示するものではなく,自己の業務に係る商品と他人の業務に係る商品とを識別する標識としての機能を果たしていない態様で使用されているものと認められる。と判示して,被告CDは,本件商標を無断では使用していないと判示し,結果として商標権侵害の事実を否定して,原告の請求を棄却いたしました。

長々と列挙しましたが、「識別標識としての使用」というのが
ポイントです。識別標識として使用していないものは登録商標の
使用に当たらず、当然登録商標の侵害に当たらないというものです。

ウェブサイトの記事上の商標登録の使用について

最近のインターネット上で問題となっているのは、ウェブサイトで
登録商標を表記した場合に、登録商標の使用になるのか、
つまりは登録商標の侵害になるのか、という懸念です。
その辺の判断の根拠となるのがこのUNDER THE SUN 事件の判旨で、
識別標識としての機能を果たしているか否か、となります。

そこの判断基準が非常に微妙なのですが、
ドメインネームやタイトルタグのような場合だと、
識別標識として機能していると言えなくもないので、
商標権侵害であるという見解の人もいます。
判例が挙がってきていないので、明確なことは言えません。

しかし、記事の中で商標名について言及があるような
場合ですと、それは商標権の侵害になるか、というと、
私見では、これは識別標識として機能していない
ものと思われます。
識別標識として機能していなければ、侵害になりません

登録商標の侵害非侵害

1ついえるのは、商標権に関する過去の判例は、インターネット時代に入る以前のものがほとんどです。インターネットが普及する以前は、商標については、パッケージに書くものは、侵害と言われてしまう可能性があるから、とりあえず、商標権が取られていたら、とりあえず書くのはやめておこう。どうしても書きたいものがあったらとりあえず商標登録しておこう。そういう判断で運用していました。

こういう経緯もあって、「こういう場合は商標権侵害にならない」
というのは明言が避けられる傾向にはありますが、
判例に基づく基準としては、上記解釈となっています。
明言されていないことから、それをいいことに相手を必要以上に
攻撃するケースも増えていますし、逆にいうと、商標登録の
メリットが増えているという見方もあります。

しかし、インターネットが普及し、不特定多数に向けて膨大な情報を発信する時代です。その中で、商標があるからと言って言及できないなどとは言っていられない時代になってきました。
ですので、自分の発信内容は商標権侵害ではない。ということを、
きちんと反論できるようにすることが、
今後必要となってくるのではないか、と考えます。

商標権侵害にならなかった他の事例(巨峰事件)

あとは有名判例として、「巨峰事件」というのがあります。
商品「ぶどう」について「巨峰」を商標登録することはできません。
しかし、商品「ダンボール箱」について商標登録はできてしまいます。

商品「ダンボール箱」について「巨峰」を商標登録をした商標権者が、
ダンボール箱について「巨峰」と書くな、と提訴したのが
この巨峰事件です。

結論として、巨峰を入れたダンボールに「巨峰」と書くことは、
内容物を記載したものに過ぎないのだから、商品「ダンボール」
についての登録商標の使用ではなく、侵害にならないという判例です。

このように、商標権の侵害非侵害は、単に書いたから、
という形式的な面だけでなく、識別標識として記載したか、
という実体面を重視して判断します。
商標権者は、単に記載されていることを理由にして
警告状を出してきますが、実際に侵害になるかどうかは、
商標としての機能を果たしたがどうかで判断される、
というのが過去の判例の示すところであり、
侵害非侵害の分かれ目になります。

タイトルタグを商標登録するのはトレンド化するかもしれない

商標登録というのは、消費者に対して目印となることで、
役目を果たすものです。なので、そうでない、単なる記事中の
表現については商標権侵害にはならない、との見解に立ちます。
しかし、それは裏を返すと、インデックスとして目印になる部分は、
商標権の係争のネタになる可能性は今後高まる可能性があります。
タイトルタグに入るような文言についてはあまり商標登録される
傾向はみられませんが、商標的使用態様とみなされる可能性は
十分考えられますので、本文中の掲載とは分けて考えるべきです。
ドメインについては一時期大きな話題となりました。

商標的使用態様と機能侵害

商標のマークを何かに記載すれば、形式的には商標の使用に該当します。
しかし、それが商標権侵害に相当するような使用に該当するか、
というのはまた別の話になります。
このような商標本来の機能を発揮するような商標の使用の態様を、
商標的使用態様といいます。
商標的使用態様により商標を使用し、その結果として、
他人の登録商標の機能を発揮してしまうことを、
機能侵害といいます。